フードデリバリーサービスはコロナ禍による外出自粛等の影響で市場規模が一気に拡大しました。それと同時に様々な会社からサービスが提供されるようになったため、働く側としては「どこを選べば良いのか?」迷いどころだと思います。
配達パートナー(配達員)として働くなら、基本的にはUber Eats(ウーバーイーツ)のような知名度がある大手のサービスを選ぶことをおすすめします。大手サービスはシステムがしっかり整っていますし、利用者が多い分、配達する側も稼ぎやすくなっています。
今回は、主要フードデリバリーサービス5社の「Uber Eats(ウーバーイーツ)」「出前館」「menu」「DiDiフード」「Wolt」を、以下の4項目で比較していきます。
- 配達パートナーを募集しているエリアはどこか?(自分の住んでいる地域で働けるか?)
- 業務形態はどうなっているのか?(雇用契約or業務委託契約)◎重要
- しっかり稼げるか?(給料/時給・報酬は良いか、日払いや週払いに対応しているか?)
- 働きやすさはどうか?(車両は自分で用意する必要があるか?制服等は貸し出されるのか?)
フードデリバリーの配達を始めたいけど、どのサービスが良いか迷ってる。できるだけ効率的に稼ぎたい。
そんな方はぜひ参考にしてみてください。
わたしがおすすめするサービスは「Uber Eats(ウーバーイーツ)」です。
知名度が高い、全国47都道府県で展開しているため応募しやすい、しっかり稼げる、保険制度が整っているといった点が他社よりも優れています。初めてフードデリバリーサービスの仕事をする、Uber Eats配達地域に住んでいる方は、まずはUber Eatsから始めてみるといいと思います。
フードデリバリーサービス5社を配達募集エリアで比較
今回紹介するフードデリバリーサービスのすべてが、47都道府県に対応しているわけではありません。
まずは、あなたの住んでいる地域がどのサービスに対応しているかを確認してみましょう。
- Uber Eats(ウーバーイーツ):47都道府県
- 出前館:32都道府県(業務委託の場合)/1都2府9県(アルバイトの場合)
- menu:47都道府県
- DiDiフード:2府8県
- Wolt:22都道府県
*2022年3月時点の対応エリア
Uber Eats(ウーバーイーツ)の配達ができるエリア詳細
Uber Eats(ウーバーイーツ)は47都道府県で募集をしています。ただし、すべてのエリアが対応しているわけではありません。
詳細はこちら(Uber Eats公式ホームページ)をご確認ください。
出前館の配達ができるエリア
出前館は業務形態が「業務委託契約」と「アルバイト」の2種類あり、それぞれ募集エリアが異なります。
業務委託契約の場合は32都道府県で募集しています。エリア詳細は、出前館公式HP内の「配達員に応募する」をクリックすると「希望エリア」より確認できます。
アルバイトは、宮城県、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、愛知県、大阪府、兵庫県、京都府、広島県、福岡県、鹿児島県の1都2府9県で募集しています。エリア詳細はこちら(出前館公式HP)より確認できます。
menuの配達ができるエリア
menuもUber Eats同様に47都道府県で募集していますが、配達エリアは限られています。
募集エリアの詳細はこちら(menu公式HP)より確認できます。
DiDiフードの配達ができるエリア
DiDiフードは、宮城県、愛知県、大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、広島県、福岡県、沖縄県の2府7県で募集しています。
北海道と東京も今後対応予定です。
Woltの配達ができるエリア
Woltは22都道府県・38エリアで募集しています。
エリア詳細はWolt公式HP内より確認できます。
フードデリバリーサービス5社を業務形態(雇用契約or業務委託契約)で比較
アルバイトの場合はお店と雇用契約を結ぶのが一般的ですが、フードデリバリーサービスの仕事は業務委託契約が多くなっています。今回紹介しているフードデリバリーサービスも、出前館は直契約(雇用契約)または業務委託契約のいずれかを選べますが、それ以外はすべて業務委託契約です。
- Uber Eats(ウーバーイーツ):業務委託契約
- 出前館:直契約(雇用契約)または業務委託契約から選ぶ
- menu:業務委託契約
- DiDiフード:業務委託契約
- Wolt:業務委託契約
雇用契約と業務委託契約の主な違いは次の通りです。
雇用契約 | 業務委託契約 | |
勤務時間 | 固定orシフト制(店舗が決める) | フレックス(好きな時間に働ける) |
収入形態 | 時給制 | 出来高制(配達した分だけ稼げる) |
交通費 | 支給あり | 支給なし |
車両・制服 | 店舗側で用意 | 基本的に自前 |
労働法の適用有無 | 有 | 無 |
「自由な時間に働きたい、バイトよりガッツリ稼ぎたい」という方には業務委託契約が合っています。
ただし雇用契約を結ぶ場合と違って労働法が適用されない点は注意が必要です。
労働法が適用されないデメリット例としては、
- 最低時給の保証がされていない
- 健康保険・厚生年金保険に加入できない
- 労災保険の対象外(ただし、令和3年9月からは労災保険の特別加入が可能に)
- 有給休暇がない
などが挙げられます。業務委託契約は要するに「個人事業主」なので全ての責任を自分で負わなければいけません。税金に関しても、雇用契約を結ぶアルバイトの場合は企業が従業員に代わり税申告をしてくれますが、業務委託契約の場合は自分で確定申告をする必要があります。上記デメリットが受けられないのであれば、出前館の直契約で働いた方がいいかもしれません。
ただしこれらのデメリットを除いても、業務委託契約は好きな時に働けて好きな時に休めますし、アルバイトとは違って頑張った分だけ収入も増えるという大きな魅力があります。
フードデリバリーサービス5社を収入(しっかり稼げるか?日払い・週払いに対応しているか?)で比較
次は、主要フードデリバリサービス5社の収入事情について見ていきます。
収入形態で比較
まず収入形態ですが、出前館の直契約のみ「時給制」、それ以外はすべて「出来高制」です。
時給・報酬で比較
出前館の直契約の時給
出前館の直契約の時給は、一般的なアルバイトより若干高い1,000円〜1,200円程度です。
Uber Eats、出前館(業務委託契約)、menu、DiDiフード、Woltの出来高制の報酬額
一方、Uber Eatsなどのサービスは出来高制で配達した分だけ報酬がもらえるため、一概に時給を出すことはできません。ただし、わたしの経験としては、どのサービスを利用してもだいたい
- 配達初心者:時給500円〜1,000円
- 配達中級者:時給1,500円〜2,000円
- 配達上級者:時給2,000円オーバー
このようなゾーンになると思います。始めたばかりの頃は慣れていないため苦戦しますが、ある程度回数をこなせばアルバイトより稼げるようになります。
最近は配達員が増えすぎて稼げないんじゃないの?と思う人もいるかもしれません。
たしかにサービス初期の頃よりは配達員が増えているため稼ぎづらくなっているのは事実ですが、その一方で働き方が合わずに辞めていく人も一定数いるため全く稼げないわけではありません。さらに配達員が少ない地方は今でもしっかり稼げる可能性が高いです。
初期の頃はフードデリバリーの配達だけで月収100万円を超える猛者もいました。今はそこまでは難しいですが、頑張れば月収50万円程度は夢ではありません。
ちなみに、各サービスの報酬制度の仕組みは以下の通りになっています。
Uber Eats(ウーバーイーツ)の報酬制度
Uber Eatsの報酬制度について、さらに詳しく知りたい方は「Uber Eats(ウーバーイーツ)の給料や時給を解説!いくら稼げる?」をご確認ください。
出前館(業務委託契約)の報酬制度
出前館の報酬制度は1件○○円の固定制度です。
具体的な報酬額はエリアによって以下のように異なります。
- 関東エリア(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県):715円
- 沖縄エリア:550円
- それ以外のエリア(宮城県、愛知県、大阪府、兵庫県、広島県、福岡県、鹿児島県):660円
さらに、期間限定でインセンティブ(追加報酬)が設定されることもあります。インセンティブが付くと、1件あたりの報酬額が通常1.2〜1.4倍、最大で3倍程度になる場合もあります。
menuの報酬制度
menuの報酬制度はUber Eatsと似ていることがわかります。ちなみに1件あたりの基本報酬は最大1,200円となっています。サービス手数料は現在はキャンペーン中で無料ですが、今後は他のサービスと同様に10%になるのではないかと予想されます。
DiDiフードの報酬制度
DiDiフードの報酬制度も、Uber Eatsやmenuと似ています。DiDiフードはいまのところmenu同様にサービス手数料が0円なので稼ぎやすい段階かもしれません。
Woltの報酬制度
Woltも他のサービスと同じような感じです。
結局、稼ぎやすいのはどのサービスか?
報酬制度については、出前館を除き、どのサービスも似たりよったりなので、そこまで大差はつかないでしょう。
重要な点は「実際に配達依頼が来るか?」という点です。報酬制度がしっかり整っていても肝心の仕事が来なければ報酬は発生しません。そのような意味で言えば、日本のフードデリバリーサービスの中でも飛び抜けている「Uber Eats(ウーバーイーツ)」と「出前館」は外せない存在です。
どのサービスを始めようか迷っている人は、とりあえず「Uber Eats(ウーバーイーツ)」か「出前館」を選んでおけばいいと思います。
日払い・週払いに対応しているサービスは?
- Uber Eats:週払い
- 出前館:【直契約】月払い(前払いも対応)/【業務委託契約】2週間に1回
- menu:基本は月払い(即時引き出しも可能。ただし20,000円以下は手数料400円が発生する)
- DiDiフード:週払い
- Wolt:2週間に1回
フードデリバリーサービス5社を働きやすさで比較(必要なもの:車両は自分で用意するのか?制服の貸し出しはあるか?)
「フードデリバリーサービスの配達を始める際に必要なもの」で比較していきます。
必要なものは「出前館(直契約)」と「それ以外のサービス」で異なります。
出前館(直契約)で必要なもの
出前館の直契約で働く際は、車両(自転車or原付バイク)、制服(帽子、ユニフォーム)、スマホ端末、雨具等を貸し出してくれます。
そのため自分で用意するものは「ペン」と「メモ帳」くらいです。初期投資がほとんどかからない点はとても楽です。
Uber Eats、出前館(業務委託契約)、menu、DiDiフード、Woltで必要なもの
Uber Eats、出前館(業務委託契約)、menu、DiDiフード、Woltでは、配達時に必要なものをすべて自分で揃えなければいけません。
具体的には、以下のものが最低限必要です。
ほかにもモバイルバッテリー、ヘルメット、マスク・消毒薬があると便利です。
配達時の服装については、飲食店・注文者などが不快に思わない清潔感のあるシンプルな服装が求められます。当然、こちらも自分で用意する必要があります。ちなみに「出前館(業務委託契約)」では帽子のみ支給され、配達員は着用必須となっています。
まとめ
今回は、主要フードデリバリーサービス「Uber Eats(ウーバーイーツ)」「出前館」「menu」「DiDiフード」「Wolt」の5つを比較しました。
それぞれ対応エリアが異なりますし、直契約で働きたい、業務委託契約で働きたいなど要望は人それぞれ異なるので、一概に「このサービスが良い」とは言いづらいですが、わたしなら
- シフト制の決まった時間で働きたい、時給制がいい、労働法がしっかり適用されているほうがいい・・・出前館の直契約
- 自由な時間で働きたい、バイトよりもガッツリ稼ぎたいなら・・・Uber Eats(ウーバーイーツ)または出前館の業務委託契約
といった選択をすると思います。今回の記事が参考になれば幸いです。